同窓会
先日、小学校の同窓会があった。
当時は、2クラスの小さな学校だった。
その2クラスの担任の先生が米寿を迎えられ、教え子の私たちも還暦を迎えた。
その両方を祝う意味での同窓会だった。
最初に、はがきでその案内をもらったとき、少し迷い、出席の返事をした。
段々と日が近づくにつれ、不安になってきた。
私は、当時の同級生を覚えているだろうか。
当時の同級生は、私を覚えているだろうか。
意を決して、欠席の連絡を入れた。
なにか、ホッとした。
還暦を迎えて、私が心に期することは、「断捨離」である。
モノやコト、そしてヒト。
それらを、捨てて切って断って離れていきたい。
いわば、心地よいモノだけに囲まれて余生を送りたいと考えているのだ。
だから、数年前から年賀状は誰にも出していない。
同窓会から数日後、封書が送られてきた。
会の幹事からだ。
中には、当日の進行表、名簿、そして記念写真。
名簿を見ても、ほとんどの同級生の顔は、浮かんでこない。
写真を見ても、ほとんど、誰が誰だか分からない。
私は、やっぱり、ホッとした。
行かなくてよかった。
年を考えると、もうこの同窓会は開かれないだろう。
田舎の、小さな小学校の同級生たち。
それらから離れて、生きていこうと思う。